僕は枯れてしまうだろう。
かんかん照りの太陽の下、
周りにいる10万本の仲間達も
その時が来るのを待っているだけ…
みたいなものだ。
だが、残りが短くても、まだ幸せはある。
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気持ちが良い風♪
沢山の日光を浴び♪
人間がくれる水でサッパリ♪
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ぼくが1番イキイキしている時間だ。
そしてぼく達を「観たい」と集まってくる人間達。
ぼく達の役割は、
この人間達を楽しませる事だけで
生まれてくるのか…?
ぼくはずっと疑問があった…
ぼく達の存在理由は
本当にそれだけなのだろうか?
ある朝、いつも通り数人で
人間が水を与えにきてくれた時、
その人達の中に手伝いにきていた
1人の男の子がこう呟いた。
「この沢山のひまわりはこの後どうなるの?」
その時、運良く近くにいたので、
自分が知りたかった事が
聞けると思い必死にその答えを待った…。
質問を受けた人間が返す。
「枯れた後、このまま土に埋めて
肥料として使うんだよ。
元気に育ってくれたひまわりは
作物が健康的に美味しく育ってくれるから
俺達は助かってるのさ!」
それを聞いたぼくは、
人を楽しませる事だけで
人生が終わるかと思っていたが、
それは違う!
枯れてタネになるだけではなく、
他の植物の生きる手助けになるんだと!
時間は残り少ないが
ぼくは枯れるまで
精一杯、今を生きよう!!
同じ疑問を抱いてる仲間が居ると思い、
隣また隣にぼくが聞いた事を
伝えていったのであった。
『ぼく達、この先の人生は
他の作物に生きる力を与えることだ』